日本点字図書館にて製作いたしました
録音図書「ナースの卯月に視えるもの(秋谷りんこ著/文春文庫)」が、
全国の図書館で利用開始となりました。
この録音図書は、
様々なご事情・特性により文字を読むことが困難な方のためのDAISY(デイジー)図書で、一般の方は対象とはなっていません。
貸出CDと、インターネット上の図書館(サピエ図書館)でのみ、
お聞きいただくことができます。
(デイジー図書は、もともと視覚に障がいがおありの方々が対象でしたが、
現在は、
多様なご事情・特性により文字を読むことが困難な方々へと対象が拡大されています。)
日本点字図書館では、
今春より音訳(≒朗読)ボランティアとしてご登録いただいております。
どのような作品が配されるのか胸を高鳴らせておりましたところ、
秋谷りんこさんのデビュー作に巡り合いました。
長期療養型病棟の日々、
それぞれの「思い残し」を念頭に辿り着く人物の心境・光景を想像し、
読みながら胸がいっぱいになり、嗚咽することが少なくありませんでした。
(録音上は取り乱しておりませんので、安心してお聞きになってください。)
医療従事者の方々を中心とする登場人物たちが語る言葉と向き合いながら、
前職時代の番組共演を契機に公私にわたり親しくさせていただいた
故・門田守人さん(大阪大名誉教授、がん対策推進協議会会長、
日本臓器移植ネットワーク理事長、日本医学会会長などをご歴任)が、
「医療のお仕事と
真紀ちゃん(親しみを込めて、こう呼んでくださっていました)のお仕事は、
疾患・表出される言葉だけでなく、その人ご自身をみる、というところが
似ていますね」と言ってくださり、
その言葉が、
私のその後の在り方・お仕事と向き合う姿勢に
大きな力を与え続けていることを思い起こし、
本作を託された意味を感じております。
嬉しいことに、
先日刊行されたばかりの「ナース・・・」の続編も担当させていただくことになり、
これから着手いたします。
書籍を手にしてから皆さまのお耳に届くまで、
図書館のご担当、校正ボランティアなど、多くの方々が丹念に携わっておられ、
相応の時間を要しますが、
公開できる時が来ましたら、またこちらで共有させていただきます。
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